さいとー・ま

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リッチ『女から生まれる』読書会15

メモのまま。
・第五章 家庭に閉じこめられた母性
domestication of matherfoodなので、何と訳すべきかは難しい。

・まとめ1
マルクス主義は経済だけが性支配の原因と考えているけれど、問題なのは家族であって母と子の関係である。左派も右派も同様に母の力への男性の恐怖というものを考えられていない。母の力として子ども生まれさせることができることと、女の力として男性の欲情をかき立てる魔術的魅力があることがある。

・リッチの二元性についての考えとして依拠している一人。
en.wikipedia.org

・まとめ2
オーリニャック文化期(紀元前三万年前)の終わりに狩猟から農耕に代わることで、女神信仰が終わっていくのは、時間の意識の成立から数と対称性への関心、そして二元性への関心が強化されることによる。リッチは二元性を父権制の原理とみなしていた。ただし、母は二元性を統一する存在と考えられていて、血などの暴力の否定的な力とも結び付けられていた。このような母への恐怖とそれでいての依存こそが父権制の特徴である。

・まとめ3
息子が持つ母への恐怖に対する復讐として母を貶める父権制宗教や神話ができたとリッチは考えているようだ。
・まとめ4
太陽神も母性信仰を排除した。育てる過程で母に息子が抱く恐怖によって母性を貶める。

母性の力を認めているからこその父権制の、「からこそ」を強調するリッチ。
父権制が二分化しているということを強調することができていないのではないか?本質主義につながりかねない。
家族が重要なのはよい。
母と娘の関係が分かりにくいかも。