さいとー・ま

さいとー・ま

さいとう・まの。おしごとは manoestasmanoあっとgmail.com (あっとを いれかえてください)まで。

障害学01

障害学について勉強する連載の記念すべき第一回。

はじめに

2年前ほどに障害者差別を受けた。2年間それを問題にしてきたが、いまだにしっかりとした対応をされていない。
もはや、現状の理論的状況のまま人任せにしても無駄と悟った。それゆえ、学術的な成果にすることで、将来に託すしかないと思った。
障害を専門とする方に相談したところ、川島聡(かわしま・さとし)の研究が参考になる可能性があることを教えてもらった。
川島聡(かわしま・さとし)は、自分(さいとう)が受けた障害者差別は不当な差別的取扱いではないと判断している。そして、合理的配慮の不提供により差別が生じたと判断している。
もちろん、現行法制度ではそう解釈せざるを得ず、現行の法制度に改革の余地があるという意見を持っているかもしれないが、それについては知らされていないので、そう解釈していないと考える。
そして、自分には川島(かわしま)の説明に問題があると思った。それについても指摘したが、答えは返ってきていない。
このような背景があったから、川島聡(かわしま・さとる)の文章を読むことは思った以上にストレスの原因になったようだ。涙がでた。
しかし、負けてられない。ある社会学者から「手を組めそうな人とは、手を組めるところで、手を組むというのは、ある程度重要なことだ」との言葉を思い出して読み進めました。
その報告。

論文1

川島聡(かわしま・さとし), 2004, 「障害者の国際人権保障へのツイントラック・アプローチ――現行人権諸条約の実施と障害者権利条約の起草」『現代社会文化研究』(新潟大学大学院現代社会文化研究科)31: 1-13 (2023年1月20日最終閲覧, http://hdl.handle.net/10191/1011).
古いものだが、ネットで読めるものがこれぐらいしかなかったので、ひとまずこれを読んだ。

この可視化に当たっては、国際人権法構造を障害者の文脈で再構築する作業が必要となる。かかる作業を、国際人権基準の設定(障害者権利条約を起草する焦点化アプローチ)とその実施(現行人権諸条約の実施過程の主流において障害者を可視化させる主流化アプローチ)という両面から行うのが、ツイントラック・アプローチである。

障害者差別を止めさせる条約を作るだけではなく、条約を作るプロセスでの障害者差別を止めようというのがツイントラック・アプローチであるようだ。
障害者権利条約を制定する前に、制定する理由などがまとめられている。
自分の事件も障害者権利条約の流れから位置づけるとどうなるかを考えてみる必要があるだろう。
興味深かった点として、1980年代にイタリアとスウェーデンで条約締結の動きがあり、差別禁止条約を作ることがスティグマを与えることになるという意見があったという点があげられる。

やりたいこと

シンポジウムの草案を障害の専門家と、当事者研究の専門家に送る。